王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
今回、ミハルの妹さんに調合されていたのは、全くのでたらめじゃない。どれも、それなりの効能はある。
だからこそ、僅かにでも薬を齧っているのならなお、販売する薬にそんな価値がない事は瞭然だったはずだ。
明確な意図を持って、大金を不当に吹っ掛けていたその行動が許せなかった。その薬師はミハルの屋敷を訪れていたと聞く。
訪問の度に減っていく家財を、一体どのような思いで眺めていたのか。
……とんでもない、ひとでなしだ!
私はやるせなさに、ギリギリと歯噛みして拳を握り締めた。