王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「エミリー、それは私だって同じよ!」

 私とアイリーンはひしと抱き合い、しばし互いの温もりを分け合った――。

「それじゃエミリー、お大事にね」
「ありがとうアイリーン」

 そうして親友は、私の心に新たな展望を示し、朗らかな笑みを残して帰っていった。

 一人になった客間。けれど寝台の上で、私の心はとても高揚していた。同時に、身体的な疲労は隠しようがなかった。瞼がとろんとして、重い……。

 ……少し、眠ろうかな。

 私は襲い来る睡魔に抗わず、そっと瞼を閉じた。






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