王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「はいはい、お待たせしました」

 そうして営業スマイル全開で扉を引き開ければ……!!
 
 ……やだ、さっそくカモが来ちゃった?

 現れたのは、物凄く金持ちの匂いのする青年だった。青年は割合にラフな格好をしていたが、その仕立ての良さは一目瞭然。なにより、些細な装身具からプンプン漂う高級感は、隠しきれていない。

 マント留めは、凝った意匠の金細工。腰に下げた剣の鞘には、さり気なく輝石が煌く。

 第六感が告げる。これはもう、物取りなどではあり得ない。

 仕込んだ鈍器は当然、不要だ!

「其方が凄腕の薬師、エミリーに間違いないか?」

 おお! しかも、薬がお目当てときたっぽい!




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