* Time of princess *
「お嬢様おはようございます。」


「おはよう高柳。あの今日は 朝からのお花のお稽古がキャンセルだと聞いたんだけど、
どうしてなのかな?」


「はい、その件でございますがお伺いしております。今日から暫くお嬢様のお稽古は全てキャンセルとなり無くなりました。」


えっ?それってどういう事?


「只今白石がお嬢様の部屋で用意しておりますが、今日からお嬢様は 別の場所にて生活する事になります。」


「この家から出るって事なの?」


「はい。そうでございます。お嬢様はこれから半年程 完全な別居生活に。私も白石もお供しませんが、お嬢様なら何とか1人で生活出来ると信じています。」


突然の話にびっくりしたのだけれど、初めての冒険の様にワクワクしたのは嘘ではない。


「白石の手伝いを私も一緒にしてくるわ。」


「はい、左様ですか。白石もきっと喜びますでしょうに。」


少しテンションが上がる気持ちを必死に隠し、階段を上がる足取りが軽くて 少し夢見心地な私は先を急いだ。


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