MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛

お妃様は、やんちゃでした。



「ギャアァァァァ━━━━」
刃物が宙を舞う!

 
人間恐いものの中にいるときは
案外冷静になれると聞いたけど
そんな余裕はなかった。


下から自衛隊の73式型トラックみたいなのが何台も現れ、大勢の馬に乗った人が駆け上がってきた。


ギョギョギョとしながら目玉飛び出しそうになり木の陰や草村に慌てて隠れる。

目玉だけ出して様子を伺う。
ヒイィィ、ヒイィィ

かなり ヤバッス。
∑OωO;


馬には分厚い布がかけられ防弾チョッキのようにも見える。トラックには王冠とムギの穂のマークがあった。


1人の男が髑髏集団を見つけ
何か叫んだ。
   
     
それを見た 頬に傷のある目つきの悪い、ガッチリした男が、仲間に、何か叫ぶと黒い集団とレザー集団は又も雄叫びを上げてバラバラの方向ヘ、馬の尻を叩き
走り去って行った。


美桜は、パニックになりそうだったが、
目の前で、倒れてる人や怪我人を前にしてとっさに、

  (今すべき事をしょう。
  軽いボランティアの経験も
  ある。落ち着け、落ち着け。)


トラックまで怪我人を運ぶことを
繰り返した。
その手伝いが固唾いたのは
随分経ってからだった。



腹もへるし、クタクタになる。


空にはドクターヘリだろう
けたたましい音と大きな風を
巻き起こし、
重病人を載せて飛んでいった。

その間一言も発せず、
でもひとまずは、安心した。


この村は壊滅状態だ。
誰も居なくなった。


また、慣れない山道を家を探して
歩く。


ふと、顔を上げると
大きい見るからにお屋敷が
あったので、階段を上がり門を
抜け庭に入る。


玄関脇に、ミモザ、アカシア、コテマリ、ライラック、マグノリアの紫や白の花、垣根にはスイートピーの、ピンク、紫、白、赤が綺麗に手入れされ植えてある。


『あ~花って食べられたっけ?
食用の花調べておけば良かった。
腹減ったよ~。』
 

(此処は、
きっとお花大好きな
人がいる御屋敷だ、
絶対優しい人だ、
お花が活き活きしてるもの。)

美桜は意を決し此処の、主の帰り
を待つことに決めた。


ザワザワと男達が来るのが見え、
とっさに隠れてしまった。


会話が聞こえるが全く理解できない。

    «レイモンド»
とだけの単語は聞こえた。
大きな月に照らされ
振り返った彼の顔は、

はっきり見えないが、
時々夢に出てくるケインと呼ぶ男に
様子が似ている。

夢の中でも顔が暗くてよく認識
出来ていない。
ただなんとなく、敵で無いことは
わかった。
それから一時間くらい木に寄りかかり
座っていた。


  「ジャージでよかった。」


これが夢でなく、現実だと
思い知らされる。
これからの事を考えると、
何をすべきか?どうしたらいいのか
分からない。


せめて言葉がわかれば、
何とかなるかも知れない、
しかしそれさえ皆無だ…。

初めて美桜の前に絶望と言う二文字が
浮かんだ。



ふと、師範代の言葉が甦る。
困った時は、どうしよう、じやなく
«どうしたらいいか?»を考えなさい。

大きな月を見上げ、どうすべきか!!
 ≪≪おしえてー≫≫
  
何も答えは返ってこない。

相手は月だ!あたりまえか!!
   
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