MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
愛する人との別れ
🐝⋆゜

レイモンドはしばらく会えないからと美桜にレイモンドとお揃いのス*ホをプレゼントした。

美桜が心配だったし、
寂しがらないようにと、
美桜もレイモンドに、
太陽のストラップをプレゼントした。


勿論お揃いだ。
レイモンドも、
休みの日には帰るし、
会いたくなれば電話するからと
美桜を安心させた。



別に一年ぐらい大丈夫!!
そう自分に言い聞かせ
レイモンドを見送った。

それから直ぐラ*ンが来た。


泣くなよ、愛してる。と書いてある。


”大丈夫だよ”
と送った。

そうして3月に入った。
いよいよ始動する。


ガラシアンの海沿い、
タニアーナ地方に来て1ヶ月が過ぎた。

なかなか作業が進まず
不本意ではあったが
ルチアマンダ国に専門の指導員の
応援を頼んだ。
すると直ぐOKの返事が来た。


レイモンドが手がけてるのは、
雇用も視野にいれた豪華客船の設計だ。

ルチアマンダ国は遥かに船
の事に関しては技術も進んでいる。

そして、
父王のジエイクとエミリアが
技術者10名を従えて来訪した。

エミリアがレイモンドに、
気があることは誰もが承知していた。

エミリアは見合いの時は
赤いカクテルドレスだったが、
今はジーンズに、
Tシャツと動き易いコーデだ。

頭もいいし活発だった。
見合いの時とのギャップに、
レイモンドは驚いていた。


大人しく清楚に、見えていたのに…

さらりとしたセミロングの緩やかなパーマのかかった髪をひとまとめにし切れ長の大きな目は人を引きつける。

モデル体型で明るい。。

エミリアは会議には積極的な意見も言う。

エミリアとのコンビも板につき、
気がつけば美桜と疎遠になっていた。

ホテルから出て仕事をし、
昼はエミリアと昼食を取り仕事終われば、
エミリア含む、みんなと飲みに出た。



美桜のラインも気ずいてはいたが、
忙しいし付き合いはあるしで、
マヒしていたんだ。

責任と重圧が
いっもレイモンドを襲っていた。
そのたび解放してくれたのはエミリアの笑顔と酒だった。

姉さん系のエミリアは
レイモンドにいつも自信を与えた。

久し振りに美桜に電話した。
嬉しそうに答える美桜は相変わらず可愛かった。

「もしもし。美桜?」

「忙しいのに大丈夫?」

「明日休みなんだ。映画でもみようか?」
「本当。嬉しい。」

「みたいのある?」
「超、見たいのがある、いいの?」

「ほったらかしにした、罪ほろぼしだよ。」

映画館の前で待ち合わせした。
 
レイモンドを見つけ、
久し振りだったから飛びついて喜んだが
美桜の好きな臭いじゃなく、
*トラスの香りだった。

服も黒のニットに野球帽、
ネックレスは
ジャラジャラしたものに変わっていた。
ジーンズも柄が大きくプリントアウトしたものだ。
凄く似合ってかっこいいけど、
誰がコーデしたのか‥な?

 「男じやない。女だ。」


手を繋いでチケットを取り
入口まで並んだ時、ス*ホが鳴った。

「ちょっと悪い、待ってて!!」

レイモンドは慌てて自販機の方へ走っていつた。

ス*ホをポケットに入れながら
すまなそうに、かけて来る。

「トラブルが合った。
 美桜悪いがひとりでみてくれ…ゴメン。」

よっぽど大事な用なのか、
レイモンドは振り向きもせずに
帰って行った。

美桜は、二人ずれの女の子に、
用ができて見れ無くなったから
どうぞとプレゼントして帰った。

次の日の週刊誌に
レイモンド殿下とエミリア王女
«熱愛»と報じられた。

昨日の服装のまま、
ホテルにはいっていく
レイモンドが写っていた。

なんだ、急ぎってデートか?
心配して損した。

パタンと本を閉じて考える。
< 62 / 90 >

この作品をシェア

pagetop