MAN of DESTINY王太子の執拗な求愛
リザの執着心
🐝
意を決して上着の裾を摘まみ、
ムササビのような格好で
濁流に飛び込んだ。


死ぬかもしれない。
しかし自分が汚されるなら、
これでいい。


     キャーアーアーァ
長い悲鳴と一緒に…


落ちて、高い水しぶきが上がり
美桜の姿は
水にまかれて消えていった。


烏丸一族はチッと舌打ちしながら
川を覗いた。
仲間の背中を押し、

ほう、ほう、ドン!!ウワーッウワーッ、
と脅かしあい、

振り向いた仲間同士、叩き合いながら、
商館でも行くか、ヤリ損なったな。上玉だったのに…な!!




人を殺す事なんて何でも
無いかのように笑いあって、
車にダゴ乗りして帰って行った。



ワインに少し酔ったレイモンドは
椅子に座り休んでいた。

目を瞑ると頭の中に、
美桜が溺れている姿が見えた。



しきりに手を伸ばし
聞こえないがレイモンドに
助けを求め、何か叫んでいる。

目頭をおさえ、疲れが溜まったのかと
首をふる。


目を開けると、軽やかに踊る舞踏会のカップル達と音楽が聞こえる。



エミリアが大丈夫?
と心配してくれるが
胸騒ぎが止まらない。



    その時、ス*ホが鳴った。

「もしもし、アルベルトどうした?」
 突然レイモンドの顔色が変わった。


     「どうしたの?」

エミリアが不信な顔で聞いてくる。
「美桜が居なくなった。」



エミリアは、
「またぁ、どっかいったのよ。
 あなたが気にする事じゃないわ。
 全く人騒がせな人ね。」



しかし、さっきみた正夢に似た
現象は何を意味する?

レイモンドは、
エミリア付き添いのメイドに
彼女の事を頼み、
護衛を一人つけて
レイモンドはマークに電話をした。

自家用ヘリを待機させ、
それに乗って、
マスカラット国のソーシ地区へと
向かった。
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