十日月夜のおとぎ話
サクはそのまま親指で優しくあたしの口の端を拭った。


「いただき」


そして、クスッと口元を緩ませ、悩ましげに目を細めると、クリームのついた指をペロリと舐めた。



その動作は、なんていうか

“色っぽい”っていう表現がピッタリだと思う。


あたしはもうカチカチに固まってしまい、視線を彼からはずすことすらできずにいる。

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