クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
学生時代に出した論文が海外で評価され、二十歳で渡英。その後、三年で博士号を取り、二十六で准教授となった。
昨年の八月に恩師が急逝し、日本に帰国。
恩師の跡を引き継ぎ、教鞭を執っている。
天然のダークブロンドの髪、百八十二センチの長身に、中性的な顔立ちという組み合わせは日本ではかなり人目を引く。
そのせいで女子大生に騒がれうんざりしている。
だが、顔には出さない。
この世界も人気商売だ。学生にSNSで変な書き込みをされれば、俺の仕事もしにくくなる。
「ありがとう」
ニコッと笑顔を作ってチョコを受け取ると、学生達は嬉しそうにはしゃいだ。
たかがバレンタインで、どうしてこんなに盛り上がれるのか男の俺には理解出来ない。

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