クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
俺達を見て謎めいた微笑を浮かべると、彼は店の前に停車していたタクシーに乗ってこの場を去った。
呆気に取られる俺と中村さん。
どうする、この状況?
亮太の妹だと知っていたら、彼女にキスなんてしなかった。
それに……彼女を男の俺に預けるって、亮太の奴なにを考えてるんだ?
ギュッと拳を握り、タクシーが去った方向を苛立たしげに見据える。
「あの馬鹿!」
思わず小声で悪態をつくが、中村さんの存在を思い出して彼女に目を向けた。
訳がわからず啞然としている。
亮太への怒りを抑え、ボーッと突っ立ったままの彼女に声をかけた。
「俺の顔見るのも嫌だろうけど、取りあえず店に戻って話をしよう」
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