幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。
そう言った瞬間、ちかが私を抱きしめた。

さっきより強く、でも優しく。

トクントクンと高鳴っている鼓動は、

私のものだけじゃないって、今はそう言ってもいいかな。

「っ……それは俺の方。ずっとこのまま、幼なじみの関係で終わるんじゃないかって、そう思ってた」

ちかの切なげな声は、私の耳の心地よく響いて。

「千愛、大好きだよ」

そんなことを、言ってくれるから。

「っ……私も、大好きだよっ……」

また涙を流しながら、それでもなんとかそう言うと

あいは優しく笑って。

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