恋人未満のこじらせ愛
石見君は飽きずに色んな店舗を見回っている。
「あれがここ限定のパッケージなんですよ」やら「ここで一番売れてるのは、このお土産セットみたいですよ」など、色んな話を聞かせてくれる。
事前で仕事で学んだことを、再確認みたいな。
それだけ、この仕事が好きなのかも知れない。

「石見君、好きなんだね。仕事が」

そう聞くと「まぁ、そうですね。好き、ですね…」と少し照れた回答。

「菅原さんは、何でこの会社に入ったんですか？」

そう聞き返されて、少し考える。

「何で、だろうね……」

いくつか内定は貰っていたが…最終的に選んだのは、この会社だった。
一番良さそう企業だったから、というのもあるけれど…。

「何かさ、『街を作る』っていうのがさ、夢があるなって思ったんだよね。
自分たちがイチから作ったところに、そこでみんなが生活して…生活の一部になってるって。そういうのが、素敵だと思ったんだよね」

忘れていたけれど、そう言う思いで入社したんだった。
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