三途の川のお茶屋さん
そうして抱擁を解くと、女性は天使の少年に伴われ、三途の川に背を向けて歩いて行った。
「あぁ、そうだわ。それからもし、次の世で巡り逢う事があったら、私の開く英会話教室にいらっしゃいな? きっと私、次の世も日本で英会話教室をやっていると思うの。お嬢さんの英語、少し残念よ。それじゃあね」
!!
振り返った女性が、最後の最後に、特大の爆弾を投下した。
思いっきり被弾した私は、身も心も木っ端みじんに砕け散りそうだ。
隣りで十夜が肩を震わせている。
「……十夜、なに笑ってるんですか?」
「いや、笑っていないぞ。……おっと! それより幸子、店に戻らんと客が来ているかもしれないぞ?」
「! やだ、大変!」
慌てて『ほほえみ茶屋』に走る。十夜も、私の一歩後ろを付いてきた。