瑠璃色の涙
遥の顔なんて見えない。でも、遥は、優しい表情をしていると思う。

「そういうことで、まず、はい」

遥は、鞄から紙を出した。


涙を拭いながらそれを受け取り、紙に書かれてある文字を読む。


そうして、驚愕___。

「婚、因.........届!!?」

そうだ、それはまさしく、紛れもない婚姻届だった。
私は驚いて顔を上げ、遥の方を見る。まあ、そうしたら、顔が近くて、遥と目が合うわけで。

「...やっと、こっち見た」

遥は柔らかく笑って、そのまま唇をゼロ距離にした。


「はる...っ」

唇を離され、名前を呼ぶまでに、遥は優しく私を抱擁する。

「...なんで、言わなかったの?」

今なら聞けるだろうと思ったのか、開口一番にそう言う。
私も、今なら言えるだろうと確信し、口を開いた。


「私の病気ね、治らないんだ」

そこまで言って、彼は抱擁を止める。
だが、何かを言う気は無いようで、ただ、私を真っ直ぐに見つめる。











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