私、花嫁にはなれませんっ!
な、なんで獅子島先生がここに立ってるの!?

えーっと…えっと…、、なんか悪い事しちゃった…!?
視線が右往左往して中々定まらない…。
その時、

『変わんないな。』

獅子島先生がそんな事を言った気がした。

え、どういう…事…?

しかし聞く暇もなく、獅子島先生は着ていたスーツをヒラリと翻してスタスタと教卓の前に戻ってしまった。

『はい、という事で質問タイムはここで終了。真鍋さんが……ちょっとボーッとしてたから、声掛けて見たけど、このクラス全員、他の人も、気を引き締めて勉学には励むように。分かったな?』

とずる賢い笑顔をふりまきながら、もう他の生徒達に語りかけている。

あ、あれ…?


『びっくりしたね~』

背中に冷たく細い感覚が走る。
誰かがシャーペンで私の背中をツンツンしている。
まあ、相手は分かってるけど!

「う、うん…気を引き締めないとね…?」

ひろみちゃんのツンツン攻撃を楽しみながらも、私は振り返って、さっきの事を思い出す。


獅子島先生のあの言動。私の中で凄い疑問が残る…。

うう、悩んでも仕方ないし、ひろみちゃんにも聞いてみよう!


「ねっ、ねえ、ひろみちゃん、先生が言ったさっきの言葉、どう思う?」

気になる事だから喋るのがさっきより若干早くなった気がした。

『ん?どの言葉?』

「変わんないな、とかいう言葉!」

ドキドキしながら、ひろみちゃんを見つめると、ひろみちゃんはキョトンとした表情で

『え、そんな事言ったっけ…?聞こえなかったけど…』

と首を傾げた。


「え…??」


つまり、それって…









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