私、花嫁にはなれませんっ!
ホームルームが始まるまでの残り5分間。

私達は、前後の席を向かい合わせにして、たわいもない会話を続けた。

ひろみちゃんは10月生まれで、この星座学園に2つ上のお兄さんが居るらしい。そのせいか星座学園の情報にはとても詳しかった。

『あのね、美紅ちゃん良い事教えたあげる!』

ひろみちゃんが勢いよく、前のめりになるとキラキラした瞳で私の手を握った。

『この学園にはね王子様が5人いるんだよ!』

「え…?王子??」

ポカン…としてしまう。
いまいち意味がよく分からなかったので、

「王子って、えっと、あの王子??」

と聞き返す。

すると、ひろみちゃんは待ってました!と言わんばかりに、握った手にキュッと更に力を加えた。


『そう、星の王子様!』


「ぷっ!!あはははは!!!」

名前が面白くって、お腹を抱えて笑う。

ひろみちゃんは、不服そうに

『なんで笑うのよー!本当だよ??』

と、口を尖らせた。
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