Love season

成海くんとは帰る方向が同じ。

私たちは特に話をすることもなく一緒にバスに乗っていた。

それだけでも私は嬉しかった。

私たちは降りるバス停も同じ。

まぁ、成海くんは乗り換えるだけなんだけど。

あ、もう降りるバス停だ。

私はさっさとバスから降りて、私の後に降りた成海くんに

「バイバイ」

と言って帰ろうと背を向けた。

「あ......」

このまま帰ったら一ヶ月以上会えなくなるのか。

そう思っていたらいつのまにか私は立ち止まっていた。

「夏実?」

成海くんの声が後ろから聞こえてきた。

このままお別れしていいのかな。

「私、成海くんのことが好き」

いつのまにか私は成海くんを真っ直ぐに見て告白していた。

「え?」

成海くんは驚いている。

私、何言ってるんだろう。

成海くんには好きな人がいるから、諦めようって心に決めてたのに......

振られちゃう。

返事なんて聞いたら泣いちゃう。

そう思った私は

「やっぱりなんでもない」

と再び背を向けて歩き出そうとした。

すると

「夏実、返事くらいさせろよ」

と目の前に成海くんが現れた。

「いやだよ」

だって怖いもん。

私は成海くんの顔を見ることが出来ず、うつむいた。

「なんで?」

「成海くんには他に好きな人がいるから......」

「はぁ.....」

私の言葉に成海くんはため息をついた。

「俺が好きなのは」

振られる。

好きな人の好きな人を聞くのがいやで耳を塞ごうとした。

するとその腕を掴まれた。

なんで、なんでこんなことを......

「夏実なんだよ」

「え?」

「俺が好きなのは夏実なんだって」

信じられなかった。

頭の中が真っ白になった。

と突然唇が重ねられた。

さらに何が起こっているのかわからなくなる。

唇がゆっくりと離れる。

「好きだ」

成海くんの声。

彼を見ると、顔が真っ赤だった。

「成海くん?」

「夏実、俺と付き合ってくれ」

ゆ、夢みたい。

「私でいいなら」

と私は成海くんの目を真っ直ぐ見た。

二人で笑い合う。

「じゃあ、また」

「うん」

私たちはそう言って別れた。
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