想い花をキミに
そして、
「ひとまず来年の3月に就任披露宴があるんだ。そこで俺が後継者だって決定するから、そこで父さんにも亜砂果を認めて欲しいと思ってる。」と続けた。

「そんな大事な所で?」

「大事な所だからだ。父さんに俺が本気だって事を分かってほしいから。」

「そっか。」

それから一呼吸おいて、彼は言った。

「辛い道のりかもしれないけど、一緒に乗り越えてほしい」

もう答えに迷うことはなかった。
私は大きく頷きながら「一緒に行くよ。どこまでも」と答える。
私の答えはもう、イエスしかないから。

私の言葉を聞いた彼がホッとしたように肩をなでおろし、

その距離を一歩縮めると──

寒さで掠れた声で「ありがとう」と言って私を抱きしめてくれた。
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