想い花をキミに
「いつもいつも別れるって言わないでよね。私には隼太だけっていつも言ってるでしょ?」

「そうだな。悪かった。」

としゅんとする彼の姿が愛おしくて、つい許したくなるの。
だから私は彼を抱きしめて「分かればいいの。」って言ってあげる。
最近は私の方がちょっと強気なのかな。
私に抱きしめられてすっかりご機嫌になった隼太は、

「で、話って?」

と急に本題に入る。
そうだった。隼太のせいですっかり頭から抜け落ちていた。

「私、病院変えようかなって思って。」

「どうして?」

「隼太の近くにいたいし、看護師と医師とじゃ不規則でなかなか会う時間も取れないから。同じ病院にいればちょっとは近くにいれるかなって思ったの。」

ほんとはそんな理由で働いちゃいけないんだろうけど、でもやっぱり病院が違うと遠いなって思っちゃうの。
< 210 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop