想い花をキミに

love stage5. 救世主からの贈り物

冬休み明けの学校は憂鬱だった。
でも家にいるよりはずっとマシ。
友達もいるし授業だって眠くなるけど何もしてないよりはいいのかな。
何より学校が終わると大好きな隼太に会えるって思うと、つまらない授業でさえ遊園地で楽しみにしていたアトラクションを待っている時みたいなワクワクした気持ちになる。

冬休みの間に私の傷はすっかり良くなって、療養所を出てからは隼太の家にお世話になっていた。
一緒に料理をしたりゴロゴロしたりとすごく幸せな時間だった。
私の人生にこんな幸せがあったのかと思ったほど。

「あーさか、何笑ってるの?」
いつの間にか口元が緩んでいたみたいで友達が不思議そうにこちらを見ている。

「笑ってた?」

「笑ってたよ!なんかいいことあった??教えてよ~!」

「秘密だよ~!」

心に余裕ができたせいか、友達との何気ない会話も楽しく感じる。
こんなこと今までなかったな。

「あ、今日の帰り新しくできたカフェ行かない?亜砂果もどお?」

「カフェ?行きたい!あーでも......」

今日は隼太と会う約束がある。だけどどうしよう。行きたい。
でもお金とかあんまりないな。
私が曖昧な返事をしていると、「どうするか決めたら教えてね。」と言い残して友達は自分の席へと戻っていった。

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