想い花をキミに

love stage9. 嫉妬のヒロイン

隼太と仲直りをしたばかりなのに、こういう喧嘩ってまた起こったりする。
今日は昨日から降り続いている雨のせいで朝からなんとなくすっきりしない気分だった。

「隼太に会いたい。」

外を見ながら呟いた私の声は、窓を打ち付ける強い雨の雫にかき消されていく。
最近何故か忙しくなった隼太とは2人きりで会える時間が急激に少なくなった。
まあ彼は高校3年生だからきっと受験の準備で忙しいんだろうけど。

前にもこんなことあったな。

私がバイトや友達との遊びを忙しくしていた頃、隼太は寂しさのせいか私に冷たくなった。
あの時の隼太もこんな気持ちだったのかな。

隼太に会えたらこんな気持ちも晴れるのに。

そんなことを思いながら一人の私の時間はゆっくり流れる。

"キーンコーンカーンコーン"

本日最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響くと、皆は一斉に下校の準備を始める。

高校二年生のこの時期は、来年から始まる受験に向けて予備校に通う人もいるけれど大多数はそんなのまだ先のことだと放課後の楽しい時間を楽しもうとしている人ばかり。