親友のカラダ
四年後
ダンサーを目指してたのに何故かシンガーになってたあたし。


もう大学一年の夏


東京の大学に進学して休みに帰省していた。



渋谷、六本木のクラブでは結構知名度もあり、プロダクションと契約も果たした。



地元にある意味似つかわしい格好


黒髪に紫のカラコン
スパイラルの髪
ハーフコーンローリング
露出度の高い派手な服


昔のクラブ仲間と地元の飲み屋街を歩いていた



『キャバクラいかがですか?』

『1時間だけでいーからぁ』


ドレスを着た女の子達が必死に酔っ払いリーマンにビラを渡しながら群がっていた


『条例とかこれ引っかかるでしょ?』

ボソッとあたしは言った


だって東京じゃキャストが客引きなんてありえないし…



『夜の業界も必死なんでしょ』と、あたしがダンサー時代初めはストリートで出会ったダンサークルー侍のリーダー武が言った。
武は高校の同級生。
高校卒業後上京し、よきライバル。

シンガーになってから、イベントでバックダンサーをしてくれている。


目の前にいる金髪盛り髪の女の子がいた

多分あたしと対して年も変わらないだろう…


『ワンタイだけでいーんでぇ…』

と媚びを売る


『行かねーっつってんだろぉ。かわいーこいなそーだしっ』


酔っ払いリーマンはそのこを軽く押しのけた。

そのとき、女の子が持っていたビラがパラパラと路上に舞った

うわっかわいそ…


思わずあたしはそれを一緒に拾ってあげた
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