社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「ありがとう。」

そう言って、修努はコーヒーを一口飲んだ。

「のどか。」

「はい。」

私が修努の傍に行くと、修努は私を抱いて膝に座らせた。

「社長、まだ勤務時間内ですが。」

私は言ってみたが、修努の耳には届かないようだ。

「のどか。ご褒美、もらっていい?」

「ご褒美、ですか?」

「うん。俺、頑張ったと思わない?」

「はい。頑張りましたね。」

「じゃあ、ご褒美、もらっていい?」

「ふふっ
いいですけど、そのご褒美は、何があっても
返品禁止ですよ?」

「分かってる。一生、死ぬまで俺の物だ。」

「よろしくお願いします。」

修努は、私に優しく口づけた。
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