社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】

再会

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再会

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俺は33歳になった。

紆余曲折、いろいろあって、ネットセキュリティの会社を立ち上げ、社長をしている。

今年の秋にはベンチャー企業向けの市場で上場する予定だ。

そんな2月の終わりに母から電話があった。

電話なんて、滅多に掛けてこない母。

せいぜい、年末に
「今年は帰ってくるの?」
という確認電話くらいなものだ。

身内に不幸でもあったのかと思い、電話に出た。

「はい、もしもし。」

『修努? 母さん。』

そんな事は出る前にディスプレイを見たから、分かってる。

「何?」

『あなた、ご近所ののどかちゃん、覚えてる?』

のどか!?

俺が忘れたくても忘れられなかった名前。
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