社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
『ちょっと、修努、聞いてるの?』

「聞いてるよ。
母さん、後でメールするから、そこに
履歴書を送るように伝えて。
俺の紹介だとは言わなくていいから。
募集要項も一緒に送るから、それものどかに
伝えて。」

『分かったわ。きっと佐倉さん、喜ぶわ。』

「じゃ、忙しいから、切るよ。」

のどかに俺の秘書をさせる。

俺は、のどかに手を出さずにいられるだろうか。


それより、住む所だ。

社宅として、どこか借りてやらないと、あそこから通うのは無理だろう。


俺は、履歴書の送付先として、会社の住所と会社名を伝え、代表取締役宛で送るように指示をした。

そして募集要項として、それなりの給与を示し、募集職種を社長秘書とした。

もちろん社宅完備・家賃三千円もつけた。

差額は、会社の複利厚生から出そう。
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