社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
修ちゃんは、6年生で私の通学班の班長さん。

入学して1週間は、班長さんがお迎えに来て、集合場所まで連れて行ってくれるのが、私の学校の習わし。

だけど、3軒隣の修ちゃんは、1週間を過ぎても、毎日私を迎えに来てくれた。


入学してひと月程したある日、母が言った。

「毎日、ありがと。
でも、大変でしょ?
無理しなくていいのよ?
他の班の班長さんは、もうお迎えに
行ってないんでしょ?」

すると、修ちゃんは、

「いいんです。のどか、かわいいから。
俺、のどかみたいな妹が欲しかったから、
好きで来てるんで、気にしないでください。」

と言った。


うちの班で、ただ1人の1年生だった私は、集合場所から学校までも、修ちゃんの隣で修ちゃんと手を繋いで、毎日登校した。

結局、修ちゃんは、修ちゃんが卒業するまで1年間.毎日私を迎えに来てくれた。

優しい修ちゃん。
大好きな修ちゃん。

これが私の初恋。
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