社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「もう! 修ちゃん、やめてよ!
ブスになったら、どうするの!?」

つられて私も笑うと、

「うん。のどかは、笑ってる方がかわいい。
でも、そうだなぁ、もし、のどかがブスに
なったら、責任とって、俺が嫁にもらって
やるよ。」

と修ちゃんは、私の頭をポンポンした。

「またまたぁ。
そんな気もないのに、そういう事言うから、
いろんな女の人が寄ってきちゃうんでしょ?
ダメだよ。そういう事は、ほんとに大事な
人にしか言っちゃ。」

「ええ? 結構、本気だったのに。」

「修ちゃん、『結構』と『本気』は並べて
使っちゃダメなんだよ。
『本気』は、『とっても』とか『すごく』と
一緒に使う言葉なんだからね。」

「くくっ
勉強になります。」

「分かればよろしい。」

私たちは、仲良く笑ってお寿司を食べた。


「のどか、明日は8時に出るから、
寝坊するなよ?」

「はい! かしこまりました!」

私は、湯飲みや寿司桶を片付けて、2階へ戻った。
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