社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「んー、じゃあ、婚約者って事にする?」

「は?」

「ダメ?」

「ダメです。
婚約者を秘書にしたなんて噂が流れたら、
社長の信用が落ちます。」

「しょうがないなぁ。
じゃあ、のどかが朝、モーニングコール
がてら迎えに来てくれる事にしよう。
で、一緒に出勤。
どう?」

「それなら、婚約者よりはマシですが、帰りは
別になりますよ?」

「なんで?」

「帰りにモーニングコールは必要ありません
から。」

「じゃあ、社宅が超ご近所さんだから、
佐倉さんがモーニングコールに来てくれる
お礼に帰りは送る契約でどう?」

「それもどうかとは思いますが…
いっそ、別々に出勤してはどうでしょう?」

「ええ!?
いいよ、超ご近所さんって事で。
嘘じゃないし。」
< 47 / 257 >

この作品をシェア

pagetop