社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
それから、3日後、安井さんから連絡があった。

再就職先は、隣県にあるIT企業。

募集職種は、社長秘書。

通うのは厳しいけど、社宅完備。

お給料は、前職とほぼ変わらない。

社宅の家賃は三千円のみ。

これは、おいしい。
っていうか、条件が良すぎる。

なんで?

疑問はあるけど、こんなおいしい話、逃すわけにはいかない。

私は二つ返事で安井さんに紹介していただけるよう、お願いをした。



そして、その1週間後、私は電車を乗り継いで面接に向かった。

エントランスに入り、受付に向かう。

うわぁ、綺麗な人。

思わず、美人の受付嬢に見惚れるが、気を取り直して挨拶をする。

「こんにちは。佐倉のどかと申します。
中途採用の面接に伺いました。」

「5階社長室へお入りください。」

と右手でエレベーターを指し示された。
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