社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
私は、修ちゃんの甘い視線に、曖昧な笑顔で応えながら、悶々と通勤の15分を過ごした。


出勤後、私は毎日、総務に寄る。

社長が退勤後に入った連絡事項を確認するため。

「昨日は3件の電話がありました。」

そう言って、総務の鈴木さんが伝言メモをくれる。
鈴木さんは、26歳の小柄でかわいい女性。

「ありがとうございます。」

私がお礼を言って総務を去ろうとすると、

「佐倉さん、総務部で佐倉さんの歓迎会を
しようと思うんですが、いつが都合がいい
ですか?」

と聞かれた。

「ありがとうございます。
社長のスケジュールを確認してからでもいい
ですか?」

「もちろんです。
社長にもぜひ出席してくださるように伝えて
くださいね。」

「はい。伝えます。」

私は笑顔で返して、社長室へと向かった。
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