別のお話。

いつもならあまり気にしないそれを、シヅキが後ろにいるから水が跳ねないように避けて進む。

「凪ちゃんっていい子だよね」

「そうだな」

「ちゃんと何買ってもらうか考えないとね」

「本当にないんだ。どうするかなぁ」

「春人は趣味とか好きなものってないの?」

「思いつかないな」

「そういうのって考えるものじゃないと思うけど」

シヅキが呆れながら言っているのが分かった。

「凪ちゃん明日は苦労しそうだね」

「なんで凪なんだよ。苦労してるのは俺だろ」
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