別のお話。
「じゃあね春。海ちゃんと空によろしくねー」
買い物を終えて(半分以上凪の買い物に時間をついやいして)凪は先輩のもとへと向かっていった。
荷台にシヅキを乗せて駅前通りを人気のない方へ逸れる。
「シヅキ。どこか行きたいところないか?」
「帰らないの?」
「夜まで帰れないんだ」
「海ちゃんと空くんが待ってるんじゃないの?」
「出掛けようって言ってただろ。
だからバイトだって嘘ついてきたんだ」
「いけないんだー」
そう言いながらシヅキの声が僅かに弾む。
「あ!春人!!それじゃあ私あそこに寄りたい!」