別のお話。

「じゃあね春。海ちゃんと空によろしくねー」

買い物を終えて(半分以上凪の買い物に時間をついやいして)凪は先輩のもとへと向かっていった。

荷台にシヅキを乗せて駅前通りを人気のない方へ逸れる。

「シヅキ。どこか行きたいところないか?」

「帰らないの?」

「夜まで帰れないんだ」

「海ちゃんと空くんが待ってるんじゃないの?」

「出掛けようって言ってただろ。

だからバイトだって嘘ついてきたんだ」

「いけないんだー」

そう言いながらシヅキの声が僅かに弾む。

「あ!春人!!それじゃあ私あそこに寄りたい!」
< 223 / 407 >

この作品をシェア

pagetop