別のお話。
周りから見たら完全に痛い人じゃないか。
「お!いい食べっぷりだね」
こうなったら仕方ない。
早く食べてさっさとここを出よう。
急いでケーキを押し込みコーヒーで一気に流し込む。
「え?もう行くの?」
シヅキの声を後ろに聞きながら逃げるように店を出た。
「春人待ってよー」
そのすぐ後をシヅキが小走りで駆け寄ってくる。
「時間あるんでしょ。なんでそんなに急ぐの?」
俺は返事もしないで店先に止めていた自転車に鍵を差し込む。