爽やかくんの為せるワザ



「ぜひ来てね、2人共」




藍くんが優しい笑顔を向けてくれる。





「行くよ!もちろん!」


「俺らも3組のカフェすごい楽しみ」


「特に敬吾の女装な!」





ずいっと横から割り込むように言ってきたカツくんを、沙羅ちゃんがチョップをかます。


カツくんと沙羅ちゃん見てると、ボケとツッコミみたいで面白い。





「珠姫ちゃんは怖いの平気?」




沙羅ちゃんとカツくんがギャーギャー言い合う中、藍くんはこそっと私に聞いてくれた。


小声の為、少しだけ近付いた藍くんの顔。


あまり耐性がない私は、まんまと緊張してしまう。





「……平気だよっ」


「へぇ、ちょっと意外かも」


「お化けとかは怖くないんだけど、音とかびっくり系にすごく弱いかも……ビビりだね」


「小動物みたいで可愛いねー」




あはは、と眩しい笑顔を私にだけ向けてくれた藍くん。



か、可愛いって……言われた!

なんだろうこの……。


込み上げてくる感情。



すごく嬉しい……。

に、ニヤついちゃう。





……私、藍くんは大丈夫なのかな。


今までの私だったら、このまま藍くんと仲良くなっても……拒否反応が出てしまうはず。


……嫌だ。



こんなに良い人なのに……そんな勝手なこと、したくない。



……藍くんともっと仲良くなれたら嬉しいけど、


この関係を保つ為には、〝これ以上の関係にならない方がいい〟んだ。



私が、藍くんを好きにならなければいい。



そうすれば、この関係のままでいられる気がする。


傷つかなくて済む。



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