待ち合わせは5分以内に
「それで?」

そう返すと彼女達は怯んだ様に黙りこんだ。

唯華の噂を吹き込んで私にどうしろと言うのだろうか。と言うよりは、どうして欲しいのだろう。

一緒に彼女の悪口を言って欲しいのか、それともそんな事ないと否定して欲しいのか。いまいち目的がわからない。

「それでって、深山さんは何も思わないの?ヒトの彼氏を奪ったのよ?」

しばらく黙り込んでいた2人は信じられないという様な顔をして問いかけてくる。

たけど、本当にその顔をしたいのは私の方だ。

「そもそも、その話は誰から聞いたの?何を根拠に言ってるの?唯華本人がそう言った?」

「いや、宮本さんの事は知らないけど…でもっ!!盗られたって言ってたのは彼女だった子なのよ!?」

慌てた様に捲し立てる彼女達は何をすれば満足するのだろうか。

「…私がなにか?」
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