ラベンダー。
隣に座るラベンダーの香りに包まれて
昔の風景が浮かんできた...。

あれは小学生中学年の頃。
まだ、恋というのがなんなのかあまり
わかっていなかった頃です。
この頃、嘘告というのが流行っていました。サイコロで1番出た数が小さい人が告りに行くという、とても可哀想なゲームでした。

私はそのグループには一切関わらず
友達と「あんまり関わりたくない」と
言ってました。

でも、その日は突然来たのです。

私は、普段通り友達と話していた時です。 男子に 校舎裏に放課後で。 と
伝えられていました。

放課後_

「僕、蘭華ちゃんのことが好きです!
付き合ってください!」

私は告られました。
(どーせ、嘘告だろうなぁ...)と思って
「ごめんなさい...これって嘘告ですか?」 と答えてしまいました。

その子は、泣きだし飛び出ていきました。 その後聞いたのですが、その子は本当の告白だったそうなんです...
それからというものの、噂など
色々と男子から広まっていき...
いつのまにか
男子恐怖症になってました(アハッ)

まぁ、なんやかんやで今は
男子と関わることもなく女子と
楽しく過ごしています!




「...安曇!」

「...起きろ!...安曇!」

ち、遅刻した!?と思って
慌てて起きると、そこは高校。
「おい、寝るんじゃない。
きちんと授業を聞いとけ。」

クスクス と辺りから笑い声がして
凄く恥ずかしかった...。

あれから5年以上が経ち
私もあのことは忘れて、就職に向けて
勉学に集中しようと決めました。




キーンコーンカーンコーン



「蘭華?大丈夫?
珍しいね、寝るなんて。」
「あぁ...うん。勉強しすぎたのかも笑」
「真面目だね...本当。 私も蘭華のようにいい成績取りたぁぁぁぁい!」

この子は 中学生で知り合った
風見 愛海 (かざみ あみ)。
私の昔のことも打ち明けれるほど
仲良くなり、今では親友と言える
大事な人。
スポーツ万全だけど 帰宅部な事から
色んなところから勧誘がくる。
帰宅部にしたのは、私が1人で帰るのが
可哀想だから...なんだって。
優しいよね…本当に。


放課後

いつも帰りに寄っているカフェに
行き、今日の事を振り返りながら
楽しんでいた。

「蘭華... そろそろ好きな人作らないの?周りいい人ばっかりじゃん。」

そう。周りは この人絶対スカウトされる! ってぐらいの人が沢山いる。

「無理だよ...私男子恐怖症だよ?
あのトラウマが...ねぇ?」
「そっかー、でも心配だよ私。
そのままで、生きていけるかどうか...」
「お母さん大丈夫だからね笑」
「孫の姿が見たいよ...」
「いや、おばあちゃんかい笑」

そんな話をしながら、いつもの日常が
過ぎていった。

外を見ると、桜がそろそろ開花する
準備を始めていた。

もう3月か_ 高校に入ってからは
あっという間に過ぎていった1年。
ついに高2... 平凡な1年を歩んでいく。
なんて、その時は思ってた。

だけど、あの香り_ラベンダー に
誘われてから平凡な日々が変わっていくことになってしまう...。
< 1 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop