冷たいキスなら許さない
『今、メール読んだ』
櫂に返信するとすぐに電話がかかってきた。

「灯里、もしかして今夜恭香に会って・・・何か言われたんじゃないか?ごめん、迷惑かけた」
「・・・ホント、いい迷惑なんですけど」
開口一番謝罪から始まった通話。

「二度とこんな事させないから。本当に悪かった」
「そうしてちょうだい。じゃあね」

「あ、待って」
通話を切ろうとしたところに櫂の焦った声で指が止まる。

「何?」
「一度、きちんと話がしたいんだけど、時間作ってくれないか?直近で」

「・・・嫌よ。もう話すことはないもの。プライベートで会ったら、またあなたの彼女に嫌がらせされるわ。冗談じゃない」
また今回みたいなことになったらフォレストハウジングに迷惑をかけてしまう。

「あなたも困るでしょ?自分の彼女が元カノに嫌がらせしたとか噂になったら」

「俺は俺の不始末が原因だから、俺のことはいいんだ。それにアイツはもう彼女じゃないし。そのことも含めて灯里に話がある」
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