冷たいキスなら許さない
そして副社長の光さんはずっと社内にいるもののとにかく忙しそうだ。
電話の対応、来客対応、後はパソコンを触っていたり。事務関係のトップになっているみたい。

下北さんは営業の責任者で営業部を束ねていて、村上さんは設計デザイナーで別のフロアのリーダーをしていて、大坪さんはセキュリティの厳しい別棟で開発や設計をしているらしい。

村上さんや大坪さんたちの業務は専門性が高く機密事項もあり私には手が出せないことがすぐにわかった。そのため観察の重点を社長、光さん、下北さんに絞ることに。

次の2日間で光さんに張り付き、その次の2日間は下北さんに、最後に社長に張り付いた。結果、それぞれに違う種類のサポートが必要だとわかってからは他の社員の観察をしながらいろいろな人に声をかけて質問をしながらとにかく考えた。

大和社長は下北さんたちに勝手に私に仕事を与えるなと言ったけれど、仕事をするなと言ったわけじゃない。
私が社長か光さんに許可を得れば何か手出しすることは許されていたし、質問することも誰かに答えてもらう事もしてはいけないわけじゃなかったから少しづつ動きはじめた。
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