Project Novel

でも気付いたら、あの人でいっぱいだった頭はあの子でいっぱいになっていて、あの人と目が合えばいいなって思ってた授業中も、あの子の方に視線がいったりして、どこかで必死に、きっかけを探してたりして。


あの人が好きだった。それは何一つ変わってない。

でも。


そっとベランダを覗いた。

予想通り、ベランダに延びてる綺麗な足は、あの子のもので。

そっと窓から手を伸ばして、あの子のほっぺに温いコーヒー。目があった。
すごく久しぶり。
むくれっ面だった二人の顔が、同時に困った様に笑う。


「お茶しませんか?」


あの子が言った。

スカートの隣には、甘すぎるカフェオレがあたしを待っていた。




【fin,】
…07.10.7…




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