深紅の薔薇姫に愛を
…………あれ?あたし、寝ちゃったんだ。

カーテンから覗く外は、すこしだけ薄暗い。

髪をかきあげ、ベットから下りる。

制服のまま、寝たんだ。

どうやら、あたしは泣いて、泣いて泣きすぎて寝てしまったらしい。

リビングにいくと、お手伝いさんがあたしにご飯のことを聞く。

なんか食べる気がなくて、あたしは『いらない』といった。

あたしなんかの世話、しなくていいのに。

あたしは1人で生きていける。…………そう、信じるために。

部屋へいくと、あたしは着替えた。

そして、お手伝いさんにいれてもらった紅茶を飲んだ。

はあ、とこぼしたあたしのため息は誰もいなくて寂しく消えていく。

どんなに部屋が広くても、空っぽだ。

あたしの心は空っぽ 。

中心にぽっかりと穴が空いている。

それを埋めることなんて出来ないし、埋めてくれる人もいない。

両親までもがここにいない

あたしはいらないと、言われているきがして嫌だ。

『俺の仲間に会ってくんねぇ?』

ふと、大河の言葉が頭を過ぎった。

ねえ、大河。

あなたはどうして、あたしを知りたいの。

また、きっと裏切る。

あたしはまた、裏切られる。

あたしはまた、1人になる。

分かっているから、期待なんてしないわ。

あたしは紅茶を飲み干した。
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