深紅の薔薇姫に愛を
「あー、クラスの女の子達が騒いでたから一応知ってるよ。」

ま、知った所でどうにもならないんだけど。

「ふーん。」

千紘が静かに言う。

ここに来て、彼らはあたしに会うための本当の理由を話していない。

”どうして、フラバしたのか。”を聞きたいなら、早く言えばいい。

すこしだけなら、言ってあげる。

「どうして、あたしに興味を持っているの?」

さっきとは、打って変わって俯いて切り出すあたし。

「今まで、見てきたことのないタイプだから。」

千鶴があたしに柔らかく笑う。

……ああ、彼らはあたしが”珍しい”から興味をもったのか。

とたん、あたしもすこし冷めたきがした。

”あたしだけ”

”あたし一人”

”あたし自身”

に興味をもったと言えばあたしは間違いなくすこし過去を話していた。

珍しいから。

そんな理由、いらない。

珍しいから興味をもっただなんて、ほかの子をあたってよ。

ふわふわしたあたしの気持ちは、いつしか黒くなっていた、

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