深紅の薔薇姫に愛を
「失礼しまーす。麗薇さん起きたみたいでーす!」

幹部室?に入るなり、そのひとはテンションアゲアゲだった。

どうしたらそんなに上がるのよ。

あたしは(わざとだから、そういうのか分からないけど)あんなあたしを盗み聞き

して、それぎあたしの話だった、なんて恥ずかしい。

「麗薇、貧血とかじゃないの?」

千紘が思い出したようにいうと、あたしに近ずいてくる。

そして、あたしの目の下?を引っ張り赤い部分の色をみた。

下手したら、キスしてしまいそうなその距離。

千紘がそんなことするなんて意外で、心臓がバクバクしている。

「貧血ってわけじゃないな。」

はあ、とため息を漏らすとソファーに座った。

「お前、病気かなにかなのか?」

大河があたしを心配している。

……みんな、分かっているくせに。

どうして、言わないの。

あたしがフラバした、という証拠がないのか。

確かに、屋上で倒れた時よりも静かだったように思う。

あくまで、あたし個人の意見だけど。

漣はあたしを見ていて、今なにも言わないのかが不思議だ。

踏み込んでは行けない話だと思ったのか、雷神の総長は幹部室を出ていった、

「…フラバだよ。また、しちゃったの。」

あたしは静かにいった。

空気がまた、締まるのが分かる。

あたしがフラバ、と言えば暴走族となにかあったんだとおおよその予想はつくだろ

う。

しかも、あの集団をみてなんだから、あそこにあたしの過去があると思ってもおか

しくない。

きっと、漣辺りは気づいている。


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