罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。

食べ物を注文して、それぞれが互いの近況報告や過去の思い出話に花を咲かせる。

私たちメンバーが同じクラスだったのは中学2年生の頃。

3年生に上がると、私たちは全員バラバラのクラスになってしまい、関わりも減っていった。

それだけで、と今なら思うが、当時の一五歳の私たちにはたった一つの小さな空間、教室こそが全てで絶対的だったのだ。

クラスが変われば、関わる人間も変わる。

……彼もそうだったな、とふと思い出す。

小一から中二までずっとクラスが同じだった彼は、毎年私に年賀状をくれていた。だけどクラスが変わった途端、それは来なくなった。

仲が良いからくれていたのではなく、同じクラスだからくれていた、と考えたとき、また傷ついていた自分がいたのを覚えている。

ああ、嫌なことを思い出した。

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