キミへの想いは、この声で。

「だから、それは……っ。

……やっぱなんでもない!」


「は?」


いや、意味わかんねー。


急にやってきたかと思えば、すぐにいなくなるとか。


……まだ、颯太が佐藤にしたこと気にしてんのか?


仮にそうだとしても、アイツの場合はどうしようもねーのに。


だって……、


アイツは素でそういうことをするヤツだから──。


──ガラッ。


「チャイム鳴ってない!ギリセーフ!

間に合ったな、茜!」


息を切らしながら、教室へと入ってきた颯太と佐藤。


颯太の声で、みんなは一斉に扉のほうへと視線を向ける。


みんなからの注目を浴びて、佐藤のほうは少し戸惑っているみたいだった。


だけど多分、みんなが注目したのはそこじゃない。

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