キミへの想いは、この声で。

「茜……」


私の手首を掴まえた颯太くんが眉を下げて、悲しそうな瞳で私を見つめる。


「……ごめん、なさい」


ゆるりと手首を解放した颯太くんは、俯きながらそう言った。


『なんで颯太くんが謝るの?』


震える手で一生懸命言葉を繋げる。


この手話が俯いている颯太くんの目にちゃんと見えているかはわからない。


それ以前に暗くて見えないかもしれないけど、質問せずにはいられなかった。


「……茜を傷つけたのは、俺の双子の陽太だったのに、黙っていたから」


ポツリと呟くように、そう言った。


『ううん。大丈夫。

……傷つけたのが、自分の双子の兄だなんて、簡単に口には出せないものだよ』


喉の奥から感じる痛みを堪えながら、私は手を動かした。

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