キミへの想いは、この声で。

──ガチャン。


そうこうしているうちに、彼が教室の扉を開けた。


私も彼に続いて教室へと上がりこむ。


自分の席に着くと、机の上にふたりしてランドセルを寝かせる。


中から教科書類を取り出している最中、急に隣の席の彼が「あぁっ!!」と叫び始めた。


その叫び声に驚いた私は、手話で『どうしたの?』と慌ててたずねる。


「……いや、なんでもない」


困ったようにそういう彼に、私は不思議に思いながらも、『そうなんだ』としか返すことができなかった。


ふいに黒板の汚れが気になった私は席を立ち、その場から離れようとした。


だけどそのとき、窓から強めの風が入りこんできて、先生の机の上のプリント類がバサッと宙に舞っていった。

< 26 / 337 >

この作品をシェア

pagetop