キミへの想いは、この声で。

「ホントだね。来週はバレンタインだから、みんなどんなのにしようか悩んでるんじゃないかな」


「ふーん、そうなんだ。

あ、茜はどんなの作るの?」


ふいに質問を投げかけられ、少しだけ戸惑ってしまう私。


「私はカップチョコにしようかなって思ってるよ」


「へぇー、そっか。

それって、ちなみに誰にあげる予定?」


「いつもは家族とひーくんの分だけなんだけど、今年は颯太くんたちの分も作る予定だよ」


「じゃあ、楽しみにしてるな!」


「う、うん!」


嬉しそうな笑みを浮かべる颯太くん。


私にもその笑顔が移った。


約束事でも交わすかのように、自然とふたりの小指が絡まろうとしていたそのとき──……。

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