キミへの想いは、この声で。

「よっしゃ!じゃあ、なにやろっか。

………………ふたりでできるものってなに!?」


急に大声を出した彼に、私の肩が少しだけビクッと跳ねた。


……たしかに、ふたりでできるものって、トランプじゃあまりないな。


…………あ、でも。


私は川島くんの袖を引っ張り、彼が反応したことを確認すると、その場でえんぴつとメモ帳を取り出し、思いついたことを書き出していった。


〝神経衰弱とかスピードとかなら、ふたりでもできるよ〟


そう書きこんだあとに彼の顔を見ると、一瞬驚いた顔を見せたが、すぐにパアッと明るくなった。


「それいい!やろう!」


そう言うと彼は私の手を取り、自分の席へと向かう。


……これじゃあ、手を繋いでいるのとあまり変わらないような……。

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