キミへの想いは、この声で。

私はちいさく頷くと、彼に支えられながらベンチに腰を下ろす。


「……なにかあった?」


眉を下げてクリクリの真っ黒な瞳を私に向けながら、彼はたずねる。


「そのミサンガ……、このあいだも持ってたよね。

青色のカッコいいミサンガだなと思ってたんだ」


彼の言葉に、ドクンと心臓がイヤな音を立てる。


────『めちゃくちゃカッコいいよ、茜っち!』


……同じだ、あのときと。


そんなことを考えていると、なにかに気がついた彼がためらいがちに私に問いかける。


「そういえば、このあいだはピンク色のミサンガも持ってたよね。今日は持ってないの?」


……っ。


持ってたよ……、ついさっきまで。

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