意味のない朝を楽しむコーヒーをインスタントの漆黒でいれてください
「へっへっ、いつも人を骨抜きにしてるくせに、忍耐力のないヤツめ」

「悪かったな。俺は攻める派なんだよ。防御力は低いんだよ」

「冒険に出る前に盾より剣選ぶタチよね」

「だれだってそうだろぉ?」

「私は両方選ぶもん」

「そんなわがまま聞くゲームないっ」

「ないなら作れ!!」

「命令!? そこは自分で作るっていうとこだろ!?」

「無理無理、私文系だから」

ヤブカでも払うように手を振りながら、起き上がる。

ああくそ、シーツめちゃくちゃにしやがって、このO型もどきのB型っぽいA型め。

「とりあえずコーヒー飲むでしょ?」

「え? 飲まないよ」

「……あ……」

彼のきょとんとした表情につい固まる。

彼は、そう、メガネなんかかけてない。

「……忘れなよ、前の男のくせ」

「……うん」

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